ソフトバンクモバイルは2007年9月14日、第3世代携帯電話(3G)のデータ通信カードを用いたパソコン向けの定額制データ通信サービスを投入する考えのないことを明らかにした。

 同社は2006年10月に、NTTドコモ対抗の「ブループラン」(関連記事)、KDDI(au)対抗の「オレンジプラン」(関連記事)という料金プランを発表。さらに、「他社が料金を値下げした際には24時間以内に対抗値下げする」と公約していた。NTTドコモが9月13日に、パソコン向け定額制データ通信プラン「定額データプランHIGH-SPEED」「定額データプラン64K」を発表したため(関連記事)、ソフトバンクモバイルが対抗プランを発表するかどうかが注目されていた。

 ソフトバンクモバイルは現在、パソコン向けのデータ通信サービスとして「データバリューパック」3種類を提供しているが、いずれも従量制である。今回、NTTドコモ対抗の値下げを見送ったことで、ブループランの創設以来初めて、料金プランにおいてNTTドコモの先行を許すことになる。

 対抗値下げを見送った理由について同社広報は、「24時間以内に対抗するのは、一般的な携帯電話の料金プランのみ。今回はパソコン向けのデータ通信プランなので対抗は出さない。現状ではKDDIも同様の定額制プランを用意していないことから、当社としては、しかるべきタイミングでサービスを提供していくよう戦略を立てている」と説明している。ただ実際には、トラフィックの輻輳(ふくそう)により携帯電話の音声通話やメールなどのサービスに影響が出ることを懸念して定額制に踏み切れないという背景もあるとみられる。