米WFLD Fox Newsの事件記者であるLarry Yellen氏によれば,米イリノイ州シカゴの公共交通システムについて,テロ攻撃に対するぜい弱性を検証した機密文書がPtoPファイル共有ネットワークを通じて流出したという。PtoPネットワークのモニタリング・サービスを提供している米Tiversaが米国時間9月12日に発表した。Yellen氏は,「LimeWire」と呼ばれるPtoPプログラムを使ってこの機密文書の入手に成功したとしており,9月11日にはテレビ番組に出演して入手方法を実演してみせた。

 流出した文書は,コンサルティング企業の米Booz-Allen Hamiltonが米連邦公共交通局(FTA)の依頼を受けて作成したもの。シカゴの公共交通システムである「Metra」と「CTA」のテロ攻撃に対するぜい弱性を具体的に説明しているという。Booz-Allen Hamiltonは,FTAの依頼により国内35のバスと鉄道システムにおいてテロ攻撃に対するぜい弱性の調査および評価を実施していた。

 下院議員のMark Kirk氏は,「これは,テロリストにシステムを攻撃する方法について重要な情報を与えるものであり,驚くべきセキュリティの不備だ。自宅のコンピュータでダウンロードできるのならば,ドイツで活動しているアルカイダのメンバーもダウンロードできることになる」とコメントしている。

 FTAはBooz-Allen Hamiltonに対し,情報の流出元を確認するように求めている。

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