総務省は9月12日,2.5GHz帯を使う無線ブロードバンド事業への参入条件をより厳密に示す方向で動きだした。具体的には,参入決定後に第3世代携帯電話(3G)事業者が出資比率を3分の1以上に引き上げることを規制する。同省は同日付で,電波監理審議会に「無線局の開設の根本的基準」を一部改正する省令案について諮問した。本日から10月15日までパブリックコメントを募集し,早ければ11月にも電波監理審議会の答申を得る。

 総務省は2.5GHz帯を最大2社に割り当てるべく,9月10日から10月12日まで通信事業者からの開設計画の申請を募集している。(関連記事)。ただし,現行の3G事業者が参入するには,出資比率が3分の1未満の企業で申請しなければならないという条件がある。

 これを受けて,3G事業者が関係する事業者として,NTTドコモが出資するアッカ・ワイヤレスが申請する方針を表明している。このほか,ソフトバンクモバイルとイー・モバイルはモバイルWiMAX事業の事前調査で協力しており,2.5GHz帯無線ブロードバンドへの参入に前向きな姿勢。KDDIもメーカーなどと組んでの参入を狙っている。

 パブリックコメントなどで,3G事業者が2.5GHz帯の事業免許(正しくは開設計画の認定証)を得た事業者に対する出資比率を3分の1以上に高める可能性への懸念が示されていた。総務省が今回示した方針は,こうした声に対応したものだ。「実際の運用では,開設指針(開設計画を認定する条件)に反する行動への規制はしていた。2.5GHz帯は通信業界以外の企業からの参入もあると予想し,法制度の文面上でも明確化する狙いがある」(総務省)としている。