米Hewlett-Packard(HP)は米国時間9月11日,医療機器の開発を手がけるアイルランドのCrosponに同社の技術をライセンス供与すると発表した。この技術は,患者の皮膚にパッチ貼ることで薬を投与するもの。CrosponはHPが開発したパッチを商品化し,ライセンス使用料をHPに支払う。金額などの詳細は明らかにしていない。

 皮膚から薬品を吸収させる経皮投与型のパッチは,禁煙プログラムの治療の中心となっている。しかし,皮膚のバリア機能が妨げとなり多くの薬品では効果的な投与方法となっていないという。

 HPが開発したスキン・パッチは,極微針を使って薬品を皮内投与する。針は非常に細いため,一般的な注射針のような不快感は無いという。薬の分量,タイミングなどを正確に調整でき,過去の投薬履歴や反応などを確認できるため,有害な薬物相互作用を防止できるとしている。

 このパッチに採用された技術は,HPが同社のインクジェット技術を新しい市場向けに活用するために開発したもの。スキン・パッチには,HPが特許を保有するインクジェット・カートリッジ技術に似た技術が採用されているという。

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