全米放送事業者連盟(NAB)は米国時間9月10日,テレビ用周波数帯域のうち,“ホワイト・スペース”と呼ばれる未使用部分を使って,インターネットに無線アクセスするデバイスを認めないよう,米連邦通信委員会(FCC)に働きかけるキャンペーンを開始した。

 免許を持たないデバイスがデジタルTV用の周波数を利用すると,テレビ番組に影響を与える恐れがあるという。NABは,デジタルTVメーカーや大手スポーツ・リーグと共に,広告やコマーシャルを展開している。

 「消費者はアナログからデジタル放送への移行に伴い,大金をはたいてデジタルTVを購入している。また,放送会社も多額の費用を投じて,デジタル放送の提供に臨んでいる。これらはすべて,消費者が問題なくテレビ番組を受信できるという前提に立っており,干渉を引き起こす可能性があるデバイスを認めるわけにはいかない」(NAB Television理事のMurphy Burns氏)。

 米メディア(InfoWorld)によると,米Microsoft,米Google,米Intel,米DellといったIT大手は,未使用のテレビ用周波数帯域を使った高速インターネット・サービスの提供を目指すWhite Space Coalition(ホワイト・スペース連合)を結成している。

 Microsoftをはじめとする数社は,ホワイト・スペース向けデバイスのプロトタイプをFCCに提出している。しかし,Microsoftのプロトタイプは破損していたため,テストに合格しなかった。

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