NECは9月11日,中国の流通業向けSIを手掛けるベンダー「北京長益信息科技集団(長益集団)」と資本提携したことを明らかにした。中国でSI事業を展開するNEC信息系統(中国)有限公司(NECソリューションズ(中国))が,長益集団の発行株式の51%を取得し,子会社化した。現地流通企業のシステム開発案件獲得に本腰を入れる。

 長益集団は,流通小売業向けSIでは最大手。パッケージ・ソフト「商友シリーズ」をベースに,主要な百貨店やショッピングモールのシステムを手掛ける。NECソリューションズ(中国)は,現地でエンジニアを大量に確保し,体制強化を図ってきた。ただ,さらなる現地案件獲得のためには,ノウハウや人脈,販売ルートなどが必要になる。そこで長益集団と提携することを決めた。

 背景には,経済成長を続ける中国で,流通業のシステム投資が活発化し,急速に市場が拡大していることがある。今後3年以内に中国のSI事業でトップ5に食い込み,売上高100億円実現を目指すNECと,日本ベンダーのきめ細かいシステム構築ノウハウを求める長益集団の思惑が一致した格好だ。