AMD初のクアッドコアCPU「Quad-Core Opteron」。ラインアップは3種類
AMD初のクアッドコアCPU「Quad-Core Opteron」。ラインアップは3種類
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Quad-Core Opteronのダイ(半導体)写真。CPUコアごとに2次キャッシュを設けた
Quad-Core Opteronのダイ(半導体)写真。CPUコアごとに2次キャッシュを設けた
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 米AMDは2007年9月10日、4個のCPUコアを搭載するクアッドコア構成を採用したサーバー向けCPU「Quad-Core Opteron」(開発コード名はBarcelona)を発表した。同社初のクアッドコアCPUとなる。ラインアップは通常版の「同2300」シリーズと上位版の「同8300」シリーズの2種類。サーバー1台当たりに搭載できるCPUの数が、2300シリーズは2個、8300シリーズは8個となる。それぞれのシリーズには消費電力を抑えた低電圧版も用意。低電圧版は型番の末尾に「HE」が付く。いずれも出荷は2007年第4四半期(10月~12月)以降を予定。

 新型Opteronは、これまでのAthlon 64やAthlon X2などと同じく、メモリー制御回路をCPUに内蔵する。同社が「ダイレクトコネクト・アーキテクチャ」と呼ぶ基本設計だ。新型Opteronでは、4個のCPUコアそれぞれに専用の2次キャッシュを設けることでデータ処理効率の向上を図った。また、3次元映像処理などで多用される浮動小数点演算の処理性能も強化。2個のCPUコアを内蔵する同社製デュアルコアCPUに比べて、浮動小数点演算性能は約50%向上したという。

 省電力機能として、CPU回路の未使用部分を検出してその部分の電力を切断する「CoolCore」、CPUコアごとの動作周波数と電圧を負荷に応じて制御する「Independent Dynamic Core Technology」などを採用した。CPUクーラーやPCケースを設計するための基準値TDPは2300シリーズで95W、8300シリーズで120W、低電圧版は68W。消費電力と熱設計枠は従来のデュアルコアCPUと同等としている。

 最高動作周波数は2300シリーズ、8300シリーズともに2GHz。低電圧版は1.9GHzとなる。同社によれば、2007年中に8300シリーズの2.5GHz版を投入する意向があるという。また、2008年中に製造プロセスを微細化し、現在の65nmから45nmへと順次切り替えていく方針も明かした。これによりさらなる動作周波数の向上や消費電力の低下を見込む。