横川省三氏(日本BPM協会 理事,日本能率協会コンサルティング チーフ・コンサルタント)
横川省三氏(日本BPM協会 理事,日本能率協会コンサルティング チーフ・コンサルタント)
[画像のクリックで拡大表示]

 ビジネス・プロセスを見える化し継続的に改善していくBPM(Business Process Management)。その実行基盤となるBPMシステムの構築では,「従来とは異なる設計スキルが必要になる」---。ソフトウエア開発者向けイベント「X-over Devlopment Conference 2007」で,横川省三氏(日本BPM協会 理事,日本能率協会コンサルティング チーフ・コンサルタント)はこう指摘した。

 BPMシステムでは,属人的な業務のやり方も含めてビジネス・プロセスをワークフロー化することが不可欠である。それには,「BPMN(Business Process Modeling Notation)」や「IDEF0」などの表記法を使ったビジネスモデリングのスキルに加えて,業務担当者を動機付けたうえで業務のやり方を洗い出す「マインドアプローチ」が必要になるという。

 このうちマインドアプローチとしては,意識の壁を突き崩すことが重要という。それには「BPMに取り組む意義を,企業,組織,個人の観点で整合させたり,信頼・誇り・連帯の風土作りをしたりすることが必要になる」(横川氏)。

 また,BPMシステムの利用シーンについて,横川氏は次のような具体例を示した。社員一人ひとりの画面には,その人が抱えているタスク一覧が,優先順位や予想所要時間とともに表示される。一覧表示されたタスクの一つをクリックすると,そのタスクの実行に必要なツールが立ち上がり,同時に表示された情報を基に社員がタスクを処理していく。タスクが完了すれば自動的に,その後工程を担う社員に引き継がれる。さらにその社員の上司は,部下一人ひとりの負荷状況やタスクごとの進捗を把握できる。

これを実現するには,企業の基本的な業務をすべてワークフロー化することが必要になる。それだけに,冒頭に挙げたビジネスモデリングやマインドアプローチなどのスキルが重要になるというわけだ。