米Appleは,携帯電話「iPhone」を値下げ前に購入したユーザーに対して100ドル相当を返還する。同社CEO(最高経営責任者)のSteve Jobs氏が,同社Webサイトに掲載された公開書簡で明らかにした。

 Appleは,iPhoneを6月29日に発売開始し(関連記事:ついに発売された「iPhone」,18カ月で1000万台の売上げ見込む),わずか2カ月後に200ドルの値下げを発表した(関連記事:AppleがiPhoneを200ドル値下げ,MicrosoftもZuneを50ドルOFF)。この値下げを受けて,すでにiPhoneを購入済みのユーザーから,多数の抗議電子メールが同社宛てに送られたという。

 Jobs氏は「価格引き下げは正しい決断であり,(値下げを実施した時期は)今年のホリデー・シーズンでの成功に向けて,より多くのユーザーにとって手に入れやすくする適切な時期だった」と釈明。できる限り多くの新規ユーザーが加わることは,AppleにとってもiPhoneユーザーにとっても利益になると説明する。

 さらに,「30年以上技術分野に身を置いている経験から言うと,技術の道は平坦ではなく,常に変更と改良がある。もし,次の値下げや改良モデルを常に待っていたら,一生技術製品を購入することはできない。より高度で安い製品が次々に出てくるからだ」と述べている。

 しかし,早期購入者への配慮は必要であるとし,「これら購入者の当社に対する信頼に応えるために」100ドル相当の返還を決定した。Appleまたは,iPhoneの独占的提携キャリアである米AT&Tから当初の価格でiPhoneを購入した全ユーザーに対して,Appleの販売店あるいはオンラインストアで100ドル分の商品購入に使えるストア・クレジットを提供する。詳細については現在検討中で,来週Webサイトで発表するという。

 Jobs氏の公開書簡は,「一部のユーザーを落胆させたことに謝罪し,ユーザーの当社に寄せる高い期待を裏切らないよう最善を尽くす」と締めくくられている。

[Jobs氏の公開書簡]