米ヒューレット・パッカード（HP）が開催するパソコン関連のプライベートイベント「Your Life is the Show」が2007年9月5日（現地時間）、米国・ニューヨークで開幕した。このイベントは、同社のパソコン事業の戦略や新製品などを披露するもので、パートナー企業の関係者や報道関係者など約1000人が参加。9月5日、6日の2日間の日程で、講演や製品の展示、製品紹介のステージイベントなどが催される。
会場となるニューヨーク市内のホテルでは午前9時から、同社のパソコン事業を統括するパーソナル・システムズ・グループ（PSG） エグゼクティブバイスプレジデントのトッド・ブラッドリー氏と、パソコン事業のマーケティングを担当するPSGシニアバイスプレジデントのサチーブ・チャヒール氏による基調講演が始まった。最初に登壇したチャヒール氏は、同時期に開催しているニューヨークのファッションイベント「ファッションウィーク」にちなんで、「人生に必要なコンピューターとファッションがライフスタイルの新しいパラダイム」だと紹介。ユーザーのライフスタイルを意識した製品を市場に投入していく考えを示した。
続いて登場したブラッドリー氏はまず、2007年第3四半期（7月～9月）の好調な業績を披露した。それによると、パソコン事業の売り上げは前年同期比24％増の87億ドル、利益は4億1700万ドルで利益率は4.8％だという。同氏はまた、「成長の過程でパソコンの売り上げが世界一になり、全世界で販売されているパソコンの5台に1台がヒューレット・パッカード製になった」と述べた。
さらにブラッドリー氏は、同社のビジネス戦略を支える4つの柱について説明した。その第1は「オペレーション効率の高さ」。製品の製造コストを削減するとともに、品質を改善することで保証期間中のサービスコスト低減を図る。実際、過去2年間で保証期間中のサービスコストは19％減ったことを紹介した。第2は「世界各国への拡張」。最近、インドに新工場を設立し、ブラジルやロシアに進出した。第3は「技術革新」。テクノロジーやビジネスの分野で、ユーザーに有益な技術革新を実行して収益の増加を図る。第4が「インスピレーション」。強いメッセージでユーザーを刺激することで、HPをマーケットで引き立たせるという。ブラッドリー氏は、同社のマーケティングスローガンである「The Computer Is Personal Again」（コンピューターを再び個人のものに）についても触れ、これは単なるスローガンではなく、消費者に対する約束であると述べた。
基調講演の後は、複数の会場に分かれて、各分野のキーパーソンによる戦略や製品展開の解説、新製品の紹介などがあった。今回のイベントに合わせて発表した新製品の一つが、マイクロソフトの家庭向けサーバーOS「Windows Home Server」を搭載したホームサーバー「HP MediaSmart Server」。LANで接続したパソコンのハードディスクのデータを自動でバックアップしたり、インターネット経由でファイルを読み書きしたりできるホームサーバーで、米国では年内に発売する予定。RAID1（ミラーリング）の機能も備える。価格は、容量500GBの製品が599ドル、容量1TBの製品が749ドル。ハードディスクのベイを4個備えており、内蔵ハードディスクで最大4TBまで容量増が可能。USB接続のハードディスクと併用すれば9TBまで容量を増やせるという。日本での発売は未定だ。
PDAの新製品も5機種登場した。このうち、「iPAQ 300 Series Travel Companion」は、GPS受信機を内蔵した製品。建物を3次元表示するナビゲーション機能を備えている。価格は449ドル。日本ではiPAQ 300を含む3製品の発売を予定をしている。このほか、「Googleマップ」を利用可能にするソフトや、iPAQの3G通信機能を利用して同社製ノートパソコンをインターネットに接続可能にするソフトなど、5種類のソフトも発表した。
| ■変更履歴 イベントの日程を「9月4日、5日」としていたのは「9月5日、6日」の誤りでした。本文は訂正済みです。[2007/9/7 16:30] |
