米Broadcomが米QUALCOMMを米国の独占禁止法違反で訴えている訴訟において,米第3巡回控訴裁判所は米国時間9月4日,Broadcomの主張を棄却したニュージャージー州米連邦地方裁判所の判断を覆し,審理の継続を同地裁に命じた。Broadcomが同日明らかにしたもの。

 Broadcomは2005年7月,「QUALCOMMが携帯電話向けの技術やLSIを提供する際に,いくつもの排他的かつ非競争的な販売活動を展開した」と主張し,QUALCOMMを提訴した。さらにBroadcomは,「QUALCOMMが業界標準への対応に必要な技術を提供するライセンス契約において,公正,合理的かつ差別のない条件(FRAND:Fair,Reasonable And Non-Discriminatory)を自ら破った」とし,損害賠償と,QUALCOMMの不公正な商習慣に対する終局差し止め命令を求めた。

 これに対しニュージャージー州連邦地裁は2006年9月,「(Broadcomに)指摘されたQUALCOMMの行為は市場独占的でなく,市場独占を意図したものでもない」と判断し,Broadcomの訴えを棄却した(関連記事:米連邦地裁,BroadcomによるQUALCOMMの独禁法違反の訴えを棄却)。Broadcomはこの判断を不服として第3巡回控訴裁に提訴していた(関連記事:米連邦地裁,QUALCOMMによるBroadcomのチップ製造販売差し止めの訴えを棄却)。

 Broadcomからの訴えに対し,第3巡回控訴裁の判事3人は全員一致でBroadcomの主張を認めた。

 なおQUALCOMMの同日付けプレス・リリースによると,「第3巡回控訴裁の認めたBroadcomの訴えは合計8件のうち2件だけだった」という。

[発表資料(Broadcom)]
[発表資料(QUALCOMM)]