写真1●米シスコが発売するIEEE802.11nドラフト2.0対応AP「Aironet 1250」
写真1●米シスコが発売するIEEE802.11nドラフト2.0対応AP「Aironet 1250」
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写真2●Aironet 1250は通信制御部と無線部を分離できる
写真2●Aironet 1250は通信制御部と無線部を分離できる
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 米シスコは9月5日,IEEE802.11nのドラフト2.0に準拠した企業向けの無線LANアクセス・ポイント(AP)「Aironet 1250」を米国で10月に発売すると発表した(写真1)。価格は1299米ドル(約15万円)。業界初めてWi-Fiアライアンスの認証を受けたIEEE802.11nドラフト2.0対応製品となる予定だ。IEEE802.11nはスループットが100Mビット/秒を超える規格で,ドラフト2.0は2007年1月に採択された。日本での発売については「時期や価格を現在検討中」(シスコ日本法人)とする。

 子機となるPCカードなどは販売しないが,Wi-Fiアライアンスの認証を受けた機器ならば相互接続が保証される。また,「インテルと互換性,接続性を確認・保証するための試験を実施している」(シスコ日本法人の竹山哲治プロダクトマーケティングアドバンスト&エマージングテクノロジーマーケティングプロダクトマネージャー)ため,インテル製のチップセットを搭載したパソコンならば確実に接続できる。

 製品の特徴として,無線LANの通信制御部と無線部を分離した点が挙げられる(写真2)。無線部を付け替えることにより,2.4GHz帯対応,5GHz帯対応,両バンド対応を選択できる。また,IEEE802.11nの正式な標準が制定されたら,無線部の交換で対応できる。

 Aironet 1250の発売に合わせ,同社のLANスイッチ「Catalystシリーズ」によるAironet 1250へのPoE(power over Ethernet)給電をサポートする。従来のPoE給電規格「IEEE802.3af」では,Aironet 1250を動作させるには供給電力が不足する。そのため,シスコ独自方式のPoE技術で供給電力を増やす。新機能への対応は,PoE対応LANスイッチのソフトウエア書き換えで実現する。対応は2007年末を予定している。