写真1●米リバーベッドテクノロジーのポール・セラーノ アジア太平洋/日本担当シニアマーケティングディレクター
写真1●米リバーベッドテクノロジーのポール・セラーノ アジア太平洋/日本担当シニアマーケティングディレクター
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 リバーベッドテクノロジーは9月4日,モバイル通信によるファイル共有などのレスポンスを高めるクライアント・ソフトウエア「Steelhead Mobile」を発表した。

 Steelhead Mobileはパソコンなどに組み込むクライアント・ソフト。データ・センター側に設置するWAN高速化装置「Steelhead」シリーズと,Steelhead Mobileのクライアント管理用装置「Steelhead Mobile Controller」を組み合わせて用いる。Steelhead Mobileを組み込んだパソコンは,Steelheadシリーズとの間の通信手順を最適化。遅延の影響を抑え,LANに近いスループットを実現する。

 WANを介したファイル共有などの通信は一般に,遅延の影響によってLANよりもスループットが低下する。特に,第3世代携帯電話システムなどの無線データ通信カードを利用したモバイル通信では,無線区間の遅延時間が長くなりやすく,それがスループットを大きく低下させる要因となる。Steelhead Mobileは,この状況を改善するソリューションである。

 同種のソフトはいくつかの競合ベンダーが発売済みだが,米リバーベッドテクノロジーのポール・セラーノ アジア太平洋/日本担当シニアマーケティングディレクターは,Steelhead Mobileの方が性能面で優位であると主張する(写真1)。「他社のソフトはWAN高速化装置の高速化機能の一部しか対応していないため,高速化効果は限られる。一方,Steelhead Mobileは最初からSteelheadシリーズと同等の機能を備えており,モバイル接続でも大きな高速化効果が期待できる」(セラーノ シニアマーケティングディレクター)。

 導入にかかる費用は,リバーベッドが「同時ライセンスモデル」と呼ぶ体系で決まる。同時ライセンスモデルとは,WAN高速化機能を同時に利用するクライアントの数に基づく価格体系。クライアント・ソフトごとの費用はかからず,インストールした端末の台数も問わない。Steelhead Mobile Controllerの価格が30同時ライセンスを含んで258万円。追加ライセンス料は,10同時ライセンスごとに69万円(ともに税別)。