WiMAXフォーラム日本オフィス代表の齊藤忠夫 東京大学名誉教授
WiMAXフォーラム日本オフィス代表の齊藤忠夫 東京大学名誉教授
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日本オフィスには多くの通信機器メーカーが参加する
日本オフィスには多くの通信機器メーカーが参加する
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 次世代無線ブロードバンド技術「WiMAX」の普及を目指す業界団体「WiMAXフォーラム」は2007年9月3日、6月に開設した日本オフィスの今後の活動方針を発表した。「WiMAX」は、数十Mビット/秒の高速無線通信が可能な新しい技術で、2種類の規格がある。注目が集まっているのは一方の規格「モバイルWiMAX」で、携帯電話のように移動しながらでも使用できる。WiMAXフォーラムの会員数は現在491社。このうち日本オフィスには国内の通信事業者や通信機器メーカーなど20社が名を連ねている。今後日本オフィスは、日本特有の技術的な課題の解消に取り組むと共に、セミナーなどを実施していく方針。

 日本オフィスの代表は東京大学の齊藤忠夫名誉教授で、副代表に慶応義塾大学環境情報学部の小檜山賢二教授とインテル研究開発本部の庄納崇 主幹研究員が就任している。WiMAXフォーラムが日本オフィスの活動を活発化させている背景として、総務省が2.5GHzの周波数帯域を、近々新たに無線ブロードバンド用として割り当てるため。9月にも通信事業者からの申請を受け付け、年内に免許を割り当てる方針である。

 モバイルWiMAXは、通信速度の高さに加え、高速移動中でも通信できることが強み。無線ブロードバンドを実現する方式には大きく4種類あるが、中でもモバイルWiMAXは有力技術と目されている。通信事業者も以前から注目しており、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、アッカ・ネットワークスなどが、モバイルWiMAXの実験や研究に取り組んできた。各通信事業者が、モバイルWiMAXを活用したサービスのために周波数獲得に名乗りを上げるのはほぼ確実。実際に免許を取得できる通信事業者がどこかは不透明だが、早ければ2008年にはモバイルWiMAXサービスが始まるものとみられる。