米連邦通信委員会(FCC)は,未使用の無線周波数帯の使用許可を求めていた米M2Z Networksの請願を拒否した。FCCが米国時間8月31日に明らかにしたもの。

 M2Zは,2155M~2175MHzの周波数帯に無線ネットワークを構築し,無料の無線接続サービスを展開することを計画。同周波数帯における15年間のライセンス認可を求める申請を2006年5月にFCCに提出した。

 同サービスでは広告付きの無料プランとより高速な有料プランを設定し,その売上の5%を米財務省に支払うことをM2Zは条件に盛り込んでいた。「ライセンス許可がおりれば,15年で最大10億ドルを財務省に納めることになる」(M2Z)。

 なお,FCCは米NetFreeUSが2007年3月に提出した同様の申請も退けている。FCC長官のKevin Martin氏は「同周波数帯の活用については,単一組織が独占的に管理することになる請願を通じてではなく,公共の利益を最優先して検討しなければならない」と説明した。

 同氏によると,2社以外も同周波数帯の利用に関する複数の提案が出されており,「オークション方式」や「ライセンス不要」で認可するべきという意見もあるという。FCCでは,近いうちに規則制定提案告示(NPRM:Notice of Proposed Rulemaking)を公布し,同周波数帯の画期的な利用に向けた規則の導入を図りたいとしている。

[発表資料(FCCのプレス・リリース)]
[発表資料(M2Zのプレス・リリース)]