英国の音楽著作権団体「MCPS-PRS Alliance」と米Google傘下のYouTubeは現地時間8月30日,1000万曲を超える楽曲の著作権使用料について契約を結んだと発表した。ビデオ共有サイト「YouTube」の英国版のユーザーは,MCPS-PRS所属のアーティストや音楽出版会社の楽曲を合法的にビデオに組み込めるようになる。

 今回の契約により,YouTubeはユーザーが投稿したビデオで使用された楽曲の使用料をMCPS-PRSに支払う。MCPS-PRSとYouTubeは,契約の詳細について明らかにしていない。英Financial Timesによれば,YouTubeは楽曲の使用料についてMCPS-PRSに定額を支払うことで合意しており,MCPS-PRS側はこの分配方法を検討中だという。

 現在,YouTubeに対して複数の著作権関連の訴訟が起こされている。米Viacomは2007年3月に,同社が保有する番組のビデオ・クリップが事前の承認なしにYouTubeに投稿されたとして提訴(関連記事)。2007年5月には,英国のサッカー連盟と米国の独立系音楽出版社が著作権侵害でYouTubeに対して集団訴訟を起こしており,8月には原告側に全米音楽出版社協会(NMPA)をはじめとする複数の団体や企業,スポーツ協会が加わったと発表している(関連記事)。

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