日本オラクルは、大規模な基幹系システムの構築に向けたLinuxのサポートサービス「Oracle Unbreakable Linux」を9月1日から始めると発表した。安定稼働を求めるミッションクリティカル領域のシステムに向けて、OSからミドルウエア、アプリケーションまでを一気通貫でサポートすることが特徴だ。

 具体的には、既存のLinux OSとOracle製品を使うユーザーに対し、(1)24時間365日の電話サポート体制を取るほか独自にバグ修正のパッチを開発・提供する、(2)重要なバグ修正は米オラクルと連携して旧バージョンにも反映させる「バックポート」を実施、(3)バグ修正などはオラクル製品との組み合わせで動作を検証し、サポート期間もオラクル製品と同一の「ライフタイムサポート」を提供する、といった追加のサポートを提供する。対象とするOSは、法人向けシステム構築で圧倒的シェアを誇る「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」か、オラクルが提供する互換のLinux「Oracle Enterprise Linux」である。

 サービスは原則、日本オラクルが裏方に回り、同社と契約を結んだ販売パートナーがユーザー企業に提供する形を取る。第1陣として、NECと日立製作所、デルの大手メーカー3社や、NTTデータ先端技術や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)などの大手ソリューションプロバイダを含む全8社が販売パートナーに名乗りを上げた。このほかにも交渉しているソリューションプロバイダやメーカーも多数あり、順次パートナー数を増やしていくという。

 サービスの提供モデルは、販売パートナーによって「Value Add Model」と「1st Line Support」に分かれる。前者は、既にパートナーが販売しているRHELに今回のOracle Unbreakable Linuxサービスの一部や全部を足し合わせて独自のブランドで提供するモデルでNECと日立が採用。後者は、Oracle Unbreakable Linuxサービスそのものを同一ブランドのまま販売するモデルで、CTCやNTTデータ先端技術のほか、デル、サイオステクノロジー、新日鉄ソリューションズなどが採用する。

 「Oracle Unbreakable Linux」サービスの価格は、Webサイト経由でのパッチ提供や情報提供に限った最低価格のサービスで年額1万2400円。「バックポート」や「ライフタイムサポート」など、先のサービスすべてを提供する最上位のサービスで同24万9900円である。