頭部にカメラを搭載した「SPC-101C」
頭部にカメラを搭載した「SPC-101C」
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人の表情を読み取り、ロボットを動作させるアプリケーション
人の表情を読み取り、ロボットを動作させるアプリケーション
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 ロボット開発のスピーシーズは2007年8月30日、頭部にカメラを内蔵した2足歩行ロボット「SPC-101C」を発表した。顔や表情を自動的に検知して、人に挨拶するといった動作を実現する。ロボットのアプリケーションを開発するためのプラットフォームとして開発者向けに販売する。価格は33万6000円。販売目標は年間1000台。

 2006年9月に発売していた従来モデル「SPC-101」に27万画素のCMOSカメラを追加した。発表会場では、ロボットの前に立った人の表情を読み取り、身振り手振りで「タノシソウデスネ」などと音声を発する様子を見せた。

 無線LANユニットを搭載しており、インターネットと連携した用途にも応用できる。会場では、ユーザーが携帯電話で「前」「後ろ」などと声で指示をすると、ロボットが前後に歩く様子を見せた。携帯電話からの音声をSkypeで受信、パソコン上で音声を認識してロボットに制御コマンドを送るという仕組みである。このほか、インターネット上の仮想空間「セカンドライフ」内から送信された文字を読み上げるというデモンストレーションも実施した。

 従来機種では個人への販売も視野に入れていたが、今回の新モデルではソフトウエア開発者に対して提供することを主眼に置いた。「一足飛びにコンシューマー向けに売りたいのは本音だが、現状では難しい」とスピーシーズの春日知昭社長は語る。まずは研究プラットフォームとして開発者に提供し、アプリケーションを生み出すという道筋を作っていくという。アプリケーション開発の活性化を促すために、ロボット制御用のAPIや専用アプリケーションのソースコードも公開する。

 東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオでは携帯電話とSPC-101Cを連携させるイベント展示を実施する。期間は2007年9月4日~同15日。このようなロボットを使った「ロボットタレント派遣事業」も推進していくという。

携帯電話からの音声でロボットを制御させるデモンストレーション