JIECで技術統括本部技術部リーダーを務める川端卓氏
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 ジェイ・アイ・イー・シー(JIEC)は,情報システムが出力するログを長期保存して分析するための内部統制ソフト「SenSage」をSaaS形式で提供するサービス「Log Shelter(ログシェルター)」を,2008年4月から開始する。価格は,初期費用が65万円から,月額利用費用が15万円から。

 Log Shelterは,米SenSageが開発し東京エレクトロンデバイスが販売するログ収集・分析ソフト「SenSage Enterprise Security Analytics」(以下,SenSage)を,月額制で利用できるようにしたネットワーク・サービスである。JIECがLog Shelter用に契約した外部データ・センター事業者のデータ・センターにLog Shelterを配置し,ユーザー企業との間でインターネットなどを経由してログを収集する。

 ログ収集方法は,標準ではHTTPSなどの相互認証/暗号化機能を持つデータ転送プロトコルをインターネット上で使用するというもの。セキュリティ・ポリシーなどの要件によりインターネットを利用したくない企業向けには,別途,オプション扱いで専用線などインターネット以外の通信手段を用いたデータ転送も用意するという。

 SenSageは,ログの長期保存と分析を可能にする,ログ向けのBI(ビジネス・インテリジェンス)ソフトである。狙いは,情報システムに対して誰が何をやったのかを把握できる状況を保つことと,ログの傾向(トレンド)を発見・把握できるようにすること。解釈可能なログはユーザーが定義できるほか,代表的なサーバー製品やネットワーク機器など180種以上(2006年6月時点)の定義を最初から備える。

 SenSageはログ・データの格納方式に特徴があり,SQL言語を用いた検索を実現するとともに,データ格納領域をオリジナルのログ・データの約10分の1程度に削減している。SQL文で検索条件を記述できるため,レポート出力のためのテンプレートを簡単に開発できる。

 SaaS形式のサービスであるLog Shelterでは,課金の対象として,月あたりのログ収集量と,保存するログの総量,以上の2つの要素で課金額を決める。これが月額15万円からのスタートとなる。初期費用が65万円からと高額な理由は,ログをネットワーク経由で収集するための設定をユーザー企業側に用意させるためにかかるコストを考慮したものである。

■変更履歴
第1段落でジェイ・アイ・イー・シーの枕詞を「CSK(現CSKホールディングス)と日本IBM(日本アイ・ビー・エム)の合弁会社でSIベンダーの」としていましたが、削除しました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/04/10 19:40]