写真1●店舗に設置するFeliCaリーダー/ライター搭載の「ぐるなびタッチ端末」。フェイス・シートは店の雰囲気などに合わせて変更可能
写真1●店舗に設置するFeliCaリーダー/ライター搭載の「ぐるなびタッチ端末」。フェイス・シートは店の雰囲気などに合わせて変更可能
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写真2●ぐるなびタッチを使ってアクセスしたWebページのトップ画面
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写真3●ぐるなびタッチのサービス開始を発表する,ぐるなび代表取締役社長の久保征一郎氏
写真3●ぐるなびタッチのサービス開始を発表する,ぐるなび代表取締役社長の久保征一郎氏
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 ぐるなびは8月29日,おサイフケータイを活用した新サービス「ぐるなびタッチ」を開始すると発表した。9月3日より,全国のぐるなび加盟の飲食店を対象に提供を始める。

 ぐるなびタッチは,ぐるなびが加盟飲食店に配布する「ぐるなびタッチ端末」(写真1)に,おサイフケータイ機能搭載の携帯電話機をかざすだけで顧客に様々な特典を付与するというサービス。顧客の特典には,次回来店時に使用できる割引クーポンやスタンプラリー,各種キャンペーン情報などを用意する。従来,飲食店が自前で発行していた紙のスタンプカードの電子版という位置付けだ。

 ぐるなびによると,飲食店にとってのメリットは大きく4点あるという。(1)スタンプカードよりも費用対効果が高い,(2)スタンプカードでは難しかった途中からの柔軟なサービス変更が可能になる,(3)来店記録などの情報を手軽に把握できる,(4)ぐるなびに会員登録している顧客に対して,店側からプロモーションなどを行うことができる──である。

 一方,顧客側のメリットは,比較的容易に各種特典を入手できるようになること。おサイフケータイには,事前に専用アプリケーションなどをダウンロードする必要はなく,飲食店に設置してあるFeliCaリーダー/ライター搭載のぐるなびタッチ端末に携帯電話をかざすだけ。これで,ぐるなびが用意する専用のWebページに自動接続し,ぐるなびのセンター側に顧客ごとの来店記録などを蓄積する(写真2)。ただし,Webページにアクセスする際の通信料金は顧客負担。また,おサイフケータイはNTTドコモ,KDDI(au),ソフトバンクモバイルの3社に対応するが,NTTドコモに関しては「902iシリーズ」「702iシリーズ」以降のみとなる。

 今回ぐるなびは,おサイフケータイのWeb to機能を使って,ぐるなびタッチを実現した。FeliCaリーダー/ライターから顧客のおサイフケータイに送られるのは,各店舗を識別するための「店舗ID」を含んだURLだけ。このURLを使ってサーバーにアクセスしてきた携帯電話の「携帯ID」を記録することで,店舗,顧客,来店時間の3つを把握する。

 さらに,顧客の不正利用を防ぐ仕組みも取り入れてある。具体的には,同一の携帯電話からの6時間以内の再アクセスの場合は,再来店記録としては扱わない。また,リーダー/ライターから携帯電話に送るURLを,毎回異なる“ワンタイムURL”とすることで,ブックマークなどによって記録したURLで再アクセスしても来店とは見なさないようにした。

 ぐるなびの久保征一郎・代表取締役社長(写真3)は「顧客の新しい行動を喚起する」と語り,このぐるなびタッチを,いちげん来店者のリピート率を向上させるツールとして活用していく意向を示した。同サービスの導入目標店数は,「2008年3月末までに1万店」(久保社長)。当初は,年間の販促スケジュールを決めて販促商品を使っている加盟飲食店に対して,無償で導入を進めていくとしている。