「@はてな」と入力しTabキーを押したところ。今話題のキーワードが見られる
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「高校野球」と入力しTabキーを押すと、関連語が一覧表示される
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 ジャストシステムとはてなは2007年8月29日、かな漢字変換ソフト「ATOK」を通じて、はてなのサーバー上の情報にアクセスできる「ATOKダイレクト for はてな[ベータ]」を公開した。ユーザーの操作に応じてATOKがはてなのサーバーに随時問い合わせをし、データを取得して表示する。ブラウザーを起動しなくても、ネット上の最新情報にATOKからアクセスできるのが特徴だ。「ATOK 2007」搭載製品の登録ユーザーのみがベータ版のプログラムをダウンロードできる。ベータ版の公開は2008年3月末までの予定。

 ATOKダイレクト for はてなは、はてなのブログサービス「はてなダイアリー」のユーザーが作成する辞書データ「はてなダイアリーキーワード」を参照する。例えばATOKで「@はてな」と入力してTabキーを押せば、はてなダイアリーのユーザーがその時点で頻繁に入力しているキーワードの一覧が、変換候補を提示するウインドウ内に表示される。ブラウザーを起動しなくても、今ネット上でどんな語句が話題になっているかが分かる。続けてTabキーを押すことで、その語句の関連語もたどれる。

 自分が入力したい語に関する関連情報を見ることもできる。語句を入力してTabキーを押すと、はてなダイアリーキーワードから抽出した連想語や、「はてな検索」の実行結果を表示する。

 この機能は、はてなが公開しているAPIを利用して実装されている。ユーザーがTabキーを押すごとにAPIを通じてはてなからデータを取得し、表示する仕組みだ。今後は、はてな以外のサービスとの連携も計画している。また「ユーザーが、任意のAPIを利用して独自のモジュールを作成できるようなツールも公開したいと考えている」(ジャストシステム ビジネス企画室 ATOKビジネス統括 佐藤洋之ビジネスオーナー)。

 佐藤氏は「これはもはや、“ATOKではない”かもしれない」と話す。ATOKといえばかな漢字変換ソフトというイメージが強いが、今回の機能においてかな漢字変換は一切実行していない。ユーザーが入力したキーワードを元にデータベースを参照し、関連情報を表示するという処理だ。このように「日本語入力ソフトでなく、FEP(フロントエンドプロセッサー)としての性質を生かせば、ATOKはもっと面白いことができる」(佐藤氏)。今回の機能は、その試みの一つという。

 佐藤氏によれば、ATOKが毎年のバージョンアップ以外で、こうした新機能を公開するのは初めて。今回はベータ版としての公開だが、ユーザーからのフィードバックを集めた上で改良し、製品の一機能として取り込んでいく予定だ。