日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,米Hewlett-Packardが買収した米Mercury Interactive製テスト・ツールの新版を,9月3日から順次出荷する。機能テスト・スイートの新版「Quality Center 9.2」3製品と,負荷テスト・スイートの新版「Performance Center 9.0」2製品である。価格は,Quality Centerの基盤ソフト「TestDirector for Quality Center 9.2」が504万円から,Performance Centerの基盤ソフト「LoadRunner software 9.0」が789万6000円から(いずれも税込み,以下同)。

 Quality Centerは,情報システムのテスト工程において,ソフトウエアの品質を高めるための仕組みとノウハウをソフトウエアの形態で提供するもの。開発プロジェクトにおけるテスト工程,すなわち,仕様変更とバグの案件の管理,テスト・スケジュールの管理,本番環境へのリリース管理といった,テストを視点としたソフトウエア開発のワークフローを実現する。新版では,要件管理ソフトとしての機能を大幅に高め,仕様変更による影響範囲の把握などが可能になったとしている。

 Quality Centerの新版では,基盤ソフトであるTestDirector for Quality Center 9.2のほか,SOA(サービス指向アーキテクチャ)環境のテストが可能な「TestDirector for Quality Center with Service Test Management 9.2」と,独SAPの環境をテストできる「Change Impact Testing for SAP Application 2.0」を,いずれも9月3日に出荷する。SOA環境向けは672万円。SAP環境向けは2520万円。

 一方,Performance Centerは,情報システムがどれだけの負荷を処理できるかを調べてサイジング(容量設計)や性能のチューニングなどに役立てるもの。中核を成すLoadRunner software 9.0は,負荷テストのエンジン兼SLM(サービス・レベル管理)ソフトである。実際のシステム利用状況をシナリオとして用意し,同時アクセス・ユーザー数を段階的に増やしていきながら,アプリケーションのレスポンスやサーバー負荷を監視する。

 Performance Center Software 9.0は,LoadRunner softwareが提供する負荷テスト機能を,社内の複数プロジェクトで効率的に利用するためのソフトウエアである。複数の開発プロジェクトに仮想的なリソース資源を効率的に割り当てることでライセンス料金が割安になり,従来は予算の都合で負荷テストを実施していなかったプロジェクトでも負荷テストが可能になるという。

 Performance Center Software 9.0は,11月1日に1527万1200円で出荷する。一方,LoadRunner software 9.0は,12月3日に789万6000円で出荷する。