フォーティネットジャパンは8月28日,中小規模拠点向けのUTM(unified threat management:統合脅威管理)装置「FortiGate-60B」と「FortiWiFi-60B」の出荷を開始したと発表した(写真1,写真2)。
FortiGateとFortiWiFiは,ファイアウォールやウイルス対策など,複数のセキュリティ機能を備えたアプライアンス。この2製品の違いは,FortiWiFi-60BがIEEE 802.11a/b/g対応の無線LAN機能を搭載している点。
両製品の特徴は大きく二つある。一つは,同等クラスの従来機よりも処理性能を高めたこと。もう一つは,第3世代(3G)携帯電話システムの通信規格に対応するPCカード・スロットを備えたことだ。
処理性能の向上で特に目立つのは,VPN接続時のスループット。最大64Mビット/秒と従来機の3.2倍に高めた。このほか,ファイアウォール機能は42%,ウイルス対策機能は33%,それぞれ処理スピードが高まったとしている。
PCカード・スロットは,市販の3G対応データ通信カードを接続するためのもの。通常のWAN回線に障害が発生した場合などに,データ通信カードを活用することで通信を確保できる。バックアップ用途に最適だ。
ただし,残念ながら現時点では国内の携帯電話システムに対応していない。フォーティネットは今後ドライバを開発する計画だが,どの規格を採用するかは未定である。なお,欧米では1x EV-DO,HSPA(high speed packet access),GPRS(general packet radio service)などの規格のPCカードに対応している。
参考価格はFortiGate-60Bが16万6000円,FortiWiFi-60Bが20万7800円。ともに税別価格で初年度の保守料金を含む。
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