8月24~25日(米国時間)の24時間のあいだに米MicrosoftのWebサイトからソフトウエア・アップデートをダウンロードしようとした数百万人ものWindowsユーザーが,悪名高い海賊版対策プログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)」のバグのせいで正規版Windowsを海賊版と誤判定された。正規版ユーザーに対するWGAの裏切り行為はこれが初めてではないが,影響を受けたユーザーの数は今回が最も多かったはずだ。Microsoftによると,サーバーに何らかの問題があって誤判断が生じ,すでに修正を終えたという。

 WGAの検証システムは,ユーザーの使用しているWindows XP/Vistaが正規版であることを確認し,海賊版Windowsユーザーによるソフトウエア・アップデートの手動ダウンロードを阻止する。MicrosoftのWGA担当上級製品マネージャであるAlex Kochis氏は「誤った検証結果を受け取った場合,当社のWebサイトで再検証すればシステムを修正できる」としている。「再検証をパスしたら,正規版Windowsだけで利用可能な機能を確実に復旧するため,システムの再起動が必要」(Kochis氏)。

 この問題に見舞われたのが8月24日夜や8月25日早朝だったユーザーは,当然動揺した。複数のユーザーが,問題そのものと問題発生中に情報を提供しなかったMicrosoftを「Microsoftサポート・フォーラムにおける“汚名”」と表現したのも当然だ。

 WGAに関しては2006年6月に,ユーザーに黙って情報をMicrosoftのサーバーへ送信するというWGAの動作が明らかになり,セキュリティ専門家からスパイウエアだという指摘を受けた経緯がある(関連記事:米Microsoft,「WGA」の問題をほんの少しだけ改善)。また,2006年10月には,WGA停止の影響でアップデートのダウンロードが行えなくなった。