管理コンソールで画面キャプチャーを再生しているところ。標準設定では、500MBの保存領域を確保し1万枚以上の画面を保存可能にしている。この例ではファイル容量を減らすため画面を減色しているが、設定によりカラーの画面をキャプチャーすることもできる
管理コンソールで画面キャプチャーを再生しているところ。標準設定では、500MBの保存領域を確保し1万枚以上の画面を保存可能にしている。この例ではファイル容量を減らすため画面を減色しているが、設定によりカラーの画面をキャプチャーすることもできる
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キー入力履歴の一覧表示。どのウインドウを対象に、どんな文字を入力していたかが確認できる。この一覧から気になる項目を選択し、画面キャプチャーを呼び出して具体的にどんな操作をしていたのか確認することもできる
キー入力履歴の一覧表示。どのウインドウを対象に、どんな文字を入力していたかが確認できる。この一覧から気になる項目を選択し、画面キャプチャーを呼び出して具体的にどんな操作をしていたのか確認することもできる
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インストールウィザードの最初に出る警告画面。無断で他人の個人情報を収集することのないよう、事前にきちんと告知することを求めている
インストールウィザードの最初に出る警告画面。無断で他人の個人情報を収集することのないよう、事前にきちんと告知することを求めている
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 AOSテクノロジーズは、パソコンの操作を記録するモニタリングソフト「スペクタープロ 6.0」を2007年9月7日に発売する。動作中の画面から入力したキーまで、パソコンの使用にかかわる各種の操作をほぼすべて時系列で記録できるのが特徴。企業の情報漏えい防止のほか、子供にインターネットを使わせる際に犯罪に巻き込まれるのを防ぐといった用途を想定している。価格は1万3440円。

 同製品をインストールすると次回起動時から自動的にメモリーに常駐する。ディスプレイに表示する画面を連続してキャプチャーし続け、後で管理コンソール上で連続再生できる。ウインドウを切り替えたりWebブラウザーをスクロールしたりと、画面が書き換わるたびにキャプチャーするため、ユーザーがどのような画面を閲覧し、どんな操作を行っていたのかをほぼ完全な形で確認できる。

 画面キャプチャーと連動して、複数の種類のログを記録する。具体的には、(1)表示したWebサイト(2)検索サイトで入力したクエリ(3)送受信したメール(4)キーボードから入力した文字列(5)起動したソフト(6)編集/印刷/削除/リムーバブルディスクへのコピーなどの操作をしたファイル(7)インスタントメッセージソフトでやり取りした相手とその会話内容(8)パソコンを起動していた時間帯とユーザーが実際に操作していた時間帯――など。いずれも時系列に管理されており、ログの一覧表示で気になるデータがあった場合、簡単な操作でその時点の画面キャプチャーを再生して具体的な操作を確認できる。

 このほか、アクセス制限機能も備える。具体的には、(1)特定のWebサイトへの接続を禁止する(2)特定の相手とのチャットを禁止する(3)インターネットに接続可能な時間帯を制限する――ことが可能。

 画面キャプチャーやログは、管理コンソールを起動して確認できるほか、あらかじめ設定すればLANを経由してほかのパソコンから参照することも可能。

 同製品には「ステルスモード」という動作モードがあり、スペクタープロの存在を明示するか隠すかを設定画面で選択できる。ステルスモードをオンにすると、インストール時の痕跡を消去するほか、スタートメニューやタスクバーからも表示を消して、スペクタープロがインストールされていることが分からない状態になる。

 同社ではスペクタープロについて、企業では個人情報の漏えいや機密データの持ち出しといった事故や犯罪を未然に防ぐほか、万一そうしたトラブルが発生した際の原因究明に役立つとする。また、「米国では、スペクタープロを導入することで従業員の残業時間が減った例がある。モニタリングされていることを意識することで、私用でパソコンを使う時間が減るという効果があるようだ」(AOSテクノロジーズ 代表取締役社長の佐々木隆仁氏)という。家庭では、子供がインターネット上で不適切なWebサイトを閲覧したり、犯罪に巻き込まれたりしないよう保護者が適切に管理する上で有用としている。

 その上で同社では、管理者が他人の個人情報を閲覧しうること、相手に気付かれずに監視しうることについてリスクがあることも明言している。「導入するパソコンを使用するユーザーに対しては、きちんと『モニタリングソフトを入れた』ということを事前に伝えるのが前提だ。また、ツールが強力であるゆえ、利用者のモラルに委ねられる部分も大きいと考えている」(佐々木氏)とする。パソコンへのインストールにはAdministrator権限を必須としているほか、インストールウィザードの最初に、スペクタープロの存在を監視対象者へ告知するよう求める画面を表示させている。