ソニーは8月第4週,ゲーム機「PlayStation 3(PS3)」に「PlayTV」というアドオン製品を導入することで,デジタル・ビデオ録画(DVR:Digital Video Recording)を可能にする機能を追加すると発表した。この発表により苦境にあるPS3が,同様に低迷している米Microsoftの「Xbox 360」を追い抜き,販売を急増させる可能性が出てきた。

 このアドオンを導入すると,Xbox 360では不可能な生テレビ番組の視聴,一時停止,録画がPS3で行えるようになる(MicrosoftはXbox 360向けインターネット・テレビの提供計画を発表済みだが,詳細な機能についてはまだ公表していない。関連記事:Microsoft,「Xbox 360」向けIPTV基盤と「Windows Vista」向け新作ゲームを発表)。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントの欧州事業Sony Computer Entertainment Europeの社長であるDavid Reeves氏は「PlayTVの最新テレビ・チューナとパーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR:Personal Video Recorder)機能によって,PS3が家族全員の使うホーム・エンタテインメント用ハブとして最良の選択肢になる」と述べる。

 ソニーによると,PlayTVは2008年初め,まず英国とフランス,イタリア,ドイツ,スペインで利用可能となり,同年後半にほかの国々へ展開するという。同アドオンには2個のハイビジョン(HD)チューナが付属し,標準画質にも対応する。携帯用ゲーム機「PlayStation Portable(PSP)」の遠隔プレイ機能を利用すると,PSPからWi-Fi経由で放送中のテレビ番組を視聴/録画できる。

 ソニーはこの発表を,ドイツのライプチヒで開催されたテレビ・ゲーム・カンファレンスで行った。同カンファレンスには,約20万人のゲーム愛好家が訪れた。さらにソニーは,2008年までに全世界で1100万台のPS3を出荷する計画も明らかにした。