シアンス・アールは8月23日、新型のオンメモリー・データベース「Altibase(アルティベース)を発表した。データを格納するテーブルをメモリーとハードディスクの両方に作成でき、用途によって両者を使い分けられる。

 Altibaseの基本的な仕組みは、ハードディスクにデータを格納する従来型のRDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)と同じだ。ただし、ハードディスクと同じようにメモリー領域を使える点が異なる。

 検索や集計など高速処理が必要なデータを格納するためのテーブルをメモリー上に作成し、それ以外のテーブルをハードディスク上に作成するといった使い方ができる。システムを止めずに、ハードディスク側からメモリー側にテーブルを移動することも可能だ。複数のサーバー間でデータを複製(レプリケーション)することもできる。

 もう1つの特徴が、データベースを操作するための言語「SQL」を使える点だ。標準規格の「SQL92」だけでなく、米オラクルが独自に拡張した操作言語「PL/SQL」も使える。そのため、「既存のアプリケーションを大きく改変しなくとも、データベースをAltibaseに移行できる」と、シアンス・アールの平岡秀一社長は強調する。

 Altibaseは韓国のアルティベース社が開発したソフトで、同国内では金融機関や製造業など約150システムで採用されている。今回、シアンス・アール社が独占販売契約を結び、初めて日本国内に投入することになった。価格は1プロセッサあたり180万円からで、9月3日から出荷する。稼働OSは、Windows 2000/2003、Red Hat Enterprise Linux ES、UNIX(HP-UX、Solaris、AIX)である。