Biz/Browser Mobile V3 for Advanced W-ZERO3[es](WS011SH)
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Biz/Designer Mobile
Biz/Designer Mobile
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アクシスソフト社長の永井一美氏
アクシスソフト社長の永井一美氏
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 アクシスソフトは,W-ZERO3のようなWindows Mobile/CEを搭載したモバイル端末を業務アプリケーションのクライアントとして利用するための開発プラットフォーム・ソフト2製品を,8月23日から順次出荷する。主にパソコン向けに提供していたリッチ・クライアント開発・実行環境であるBiz/DesignerとBiz/Browserの,モバイル専用の新製品および新バージョンという位置付けだ。

 新たに出荷するソフト2製品は,以下の通り。(1)「Biz/Browser Mobile V3 for Advanced W-ZERO3[es](WS011SH)」は,モバイル端末向けのリッチ・クライアント実行環境の新バージョンである。従来版よりも機能を高めている。価格は3万9000円から。2007年8月23日に出荷する。一方,(2)「Biz/Designer Mobile」は,モバイル端末向けのリッチ・クライアント開発環境の新製品である。主にパソコンを実行環境の対象としていた類似ソフトの「Biz/Designer XE」に対し,対象プラットフォームをモバイル端末に限定した開発ソフトである。価格は開発者1ユーザーで25万円。2007年11月1日に出荷する。

 同社社長の永井一美氏は,モバイル端末の業務利用が2008年以降,急激に進むと予測する。Windowsの稼働プラットフォームとしてモバイル端末が認知されるようになり,電子メールやグループウエア,業務アプリケーションのクライアントとして一般化するという目論見だ。さらに,スマートフォン/PDAだけでなく,特定業務に特化したハンディ・ターミナルもWindows化が進むという。こうした背景から,Windows Mobile向け開発ツールである同社製品の売上目標として,「法人向けのモバイル・アプリケーション開発ツール市場のシェアの50%」(永井氏)を掲げる。

 実行環境であるBiz/Browserは,Windows MobileまたはWindows CE上で動作する,リッチ・クライアント実行環境である。業務ロジックをクライアント側で実行可能である。アプリケーションを記述したスクリプトであるCRS(Chain Reflection Script)は,WebサーバーからHTTP経由でダウンロードして実行する形態だ。新バージョンでは,利用できるGUI部品を増やした。例えば,行の折り込み機能を持つ表計算コントロールなど,クライアント・サーバー間の転送データ量を抑えつつリッチな表現を実現するための工夫を凝らした。

 開発環境であるBiz/Designerは,Biz/Browserで実行するためのアプリケーションをビジュアル開発するためのソフトである。Windows 98以降で動作する。アウトプットとして,Biz/Browserで実行可能なアプリケーション・ファイルであるCRSを出力する。今回の新製品,Biz/Designer Mobileで開発したアプリケーションは,パソコン環境向けの既存ソフトであるBiz/Designer XEで開発したアプリケーションよりも,リソース消費を抑えるなど,よりモバイル端末での実行に適しているという。

 同社によれば,モバイル端末で実行させるのであればBiz/Designer Mobileで開発し,パソコンで実行させるのであればBiz/Designer XEで開発するとよいという。Biz/Designer XEでパソコン向けに開発したアプリケーションは,そのままモバイル端末向けのBiz/Browser Mobile上で実行可能であるが,パソコン向けの作りとなっているため,リソース消費の面などで効率がよくないという。一方,Biz/Designer Mobileで開発すると,モバイル端末での実行に適した処理の軽いアプリケーションが実現できるとしている。

 また,Biz/Designer Mobileの出荷日である2007年11月1日には,開発環境であるBiz/Designerユーザー向けに,モバイル端末用の実行環境であるBiz/Browser Mobileをパソコン上でエミュレートするソフト「Biz/Browser Mobile for Windows」も無償提供する。対象ユーザーは,Biz/Designerユーザーのすべて,すなわち,Biz/Designer MobileまたはBiz/Designer XEのユーザーである。エミュレータもまた,Biz/Designerの稼働OSであるWindows 98以降で動作する。

 モバイル向けに特化した開発環境を用意したのは今回初めてだが,実行環境であるBiz/Browserのモバイル端末向け製品は,2004年から提供している。Windows CE.NET版やWindows CE.NET 4.2をベースとしたOSであるPocketPC 2003(Windows Mobile 2003 software for Pocket PC)版である。2006年7月には,ウィルコムのPHSを利用したシャープ製のWindows Mobile端末「W-ZERO3」向けに,当時の米Microsoftの最新モバイルOSであるWindows Mobile 5.0版を出荷した。今回のBiz/Browser Mobileでは,GUIソフト部品の追加など,ベースとなる機能拡張を施した。