米IBMは米国時間8月22日,企業向けインスタント・メッセージング(IM)プラットフォームである「Lotus Sametime」を,テレフォニ機能などを備える統合型コミュニケーション/コラボレーションの製品ファミリに拡大する計画を発表した。
IBMは,新しいLotus Sametimeファミリ製品として「Lotus Sametime Entry」「同Standard」「同Advanced」を用意する。Entryでは,IM,プレゼンス,チャット,コンタクト・リスト管理などコラボレーションの中心となる機能を提供し,MicrosoftのOutlookなどとの統合をサポートする。Standardでは,これに加えWeb会議,プラグインの追加,マッシュップなどが可能となり,Macintoshクライアント向けのポイント・ツー・ポイントのビデオ機能,OfficeとOutlook 2007との統合などのサポートを予定する。
Advancedは,グループ・チャット,リアルタイムの情報の検索や共有を容易にするブロードキャスト・コミュニティ・ツールを提供する。ユーザーが即座にスクリーン画像を共有したり,同じロケーションで作業している人を探すプラグインも提供される予定。
IBMは,現在テレフォニ機能を備える「Lotus Sametime Unified Telephony」の開発を進めている。この製品は,複数の電話システムやアプリケーションの通信を管理する機能を提供するもの。IMのプレゼンス機能に加え,コンタクト・リスト上で相手の通話状態が確認でき,デスクトップからVoIPを通じてすぐに通話ができるほか,コンタクト・リストから呼び出す相手を選択して電話会議を開催できるようになる。バックエンドやレガシー・システムでも利用できるため,システムを入れ替えることなく統合型コミュニケーション/コラボレーション機能を導入できるとしている。
IBMは同日,Web会議およびコミュニケーション・サービスを手がける米WebDialogsを買収したことも明らかにした。IBMはWebDialogsの買収により,Lotus Sametimeファミリ製品にSaaS(Software as a Service)モデルを追加する予定だという。
Lotus SametimeソフトウエアのStandardは,2007年第4四半期に出荷を開始する。Lotus Sametime Entryおよび同Advancedは2008年上半期に利用可能となる。テレフォニ機能を備えるUnified Telephonyは2008年中旬に提供する予定。価格は近日中に発表される。