米Adobe Systemsが米国時間8月21日,Flashアプリケーション実行ソフトウエア「Adobe Flash Player 9」用の最新アップデータ(開発コード名は「Moviestar」)のベータ版を公開した。同アップデータを適用すると,Flash PlayerでH.264形式のハイビジョン(HD)ビデオ再生が可能となる。ベータ版はAdobeのWebサイトから無償でダウンロードできる。最終版は2007年秋に利用可能とする。

 H.264はデジタル・ビデオ用コーデック規格で,ISO/IEC IS14496-10やMPEG-4 Part 10とも呼ぶ。DVDなどで利用されているMPEG-2ビデオ・コーデックに比べ,圧縮効率が2~3倍高いという。次世代光ディスク規格であるBlu-RayやHD-DVDに対応するHDビデオ・プレーヤでも使われている。

 既にAdobeは,ビデオ編集ツール「Adobe Premiere Pro」と視覚効果付加ツール「Adobe After Effects」にH.264ビデオ・エンコーディング機能を搭載している。アプリケーション実行環境「Adobe Integrated Runtime(AIR)」と,「Adobe Media Player」などのAIR対応アプリケーションでもH.264ビデオ再生に対応する予定(関連記事:Adobeがアプリ実行環境「Apollo」のベータ版公開,名称は「Adobe AIR」に)。

 またMoviestarは,High Efficiency AAC(HE-AAC)形式の音声再生を可能とするほか,ハードウエア・アクセラレータおよびマルチコア・プロセサによる全画面ビデオ再生にも対応する。

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