NTTドコモは、高速のデータ通信規格Super3G(LTE:Long Term Evolution)の商用化に向け、基地局装置の提案募集を始めた。2007年08月6日付で、同社のホームページにも掲載されており、9月21日まで応募を受け付けている(NTTドコモの調達サイト)。

 Super3Gは、現行のW-CDMAの拡張技術であるHSDPA/HSUPAをさらに発展させた規格であり、ユーザーにとってはスループットが大きく遅延時間が短いこと、事業者にとっては周波数利用効率が高いことがメリットである。アクセス方式としては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)およびSC-FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)を採用している。NTTドコモが7月から始めた実証実験では、下り方向で最大約300Mビット/秒の通信速度を目指している。2009年に技術開発を終える計画で,その後の商用化を狙う。

 Super3Gについて、NTTドコモは1年前の2006年7月から共同開発メーカーを募集しており、2006年秋にはメーカーを決定した。富士通が基地局装置,NECが端末の共同開発を手がけることになっている。2007年中ごろに試作機によるデモを実施し,2008年には商用基地局,2009年には小型の移動機の納入が始まるというスケジュールを組んでいた。

 2006年の募集時との違いについてNTTドコモは「2006年の調達は、商用を意識した試験用装置。今回は、完全に商用化を見据えたもの」(広報部)とする。今回の調達メーカーは2社である。NTTドコモの調達関連のWebサイトによると調達予定時期及び調達予定数量はメーカー向けの調達説明書に記述されているもようだが、同社広報部によると「詳細は未定」としている。