米Microsoftは7月に,待望の家庭用サーバーOS「Windows Home Server(WHS)」を製造段階(RTM:Release To Manufacturing)に移行させた(関連記事:米マイクロソフト,Windows Home Serverの開発を完了)。これを受けて「早ければ8月最終週にも出荷される」との予想も出たが,Microsoftによると間違いらしい。WHSの出荷は9月の終わりから,恐らく10月初めになるだろう。

 WHSは,「Windows Server」から機能を省いて家庭内ネットワーク向けとした派生バージョンである。複数パソコンのバックアップ,簡単に拡張/管理可能なストレージ,リモート・アクセス,デジタル・メディアおよび文書の共有といった,主要な機能だけを備える。当初,パソコンおよびハードウエアのメーカーが新たなハードウエアに搭載してWHSを提供するため,RTMから一般提供まで時間がかかることになった。米Dell,米Hewlett-Packard(HP),米Iomega,フランスLaCieなどが,WHSベースのサーバー販売契約を結んでいる。

 ただし,個人ユーザーがオンライン販売業者からWHSのソフトウエアだけを購入し,自分の用意したハードウエアにインストールすることも可能だ。MicrosoftはまだWHSの価格情報を公表していないが,オンライン販売業者によるとWHSソフトウエアは150~200ドルという。

 WHSを強化するため,Microsoftはアドイン・ソフトウエアでWHSの機能を十分拡張できるようにしたうえで,優れたWHS用アドインに賞金を出す開発コンテスト「Windows Home Server Code2Fame Challenge」を開催している。同コンテストは2007年8月31日に締め切り,9月終わりに審査する(関連記事:Microsoft,家庭用サーバー「Windows Home Server」のRC版を公開)。実のところ,筆者はこのコンテストで審査員を務める。応募作品を見るのが楽しみである。

 WHSは完成したが,最終的なレビュー記事執筆に必要なハードウエアの出荷を待機している状態だ。しばらくのあいだ,SuperSite for Windowsに掲載したWHSベータ版/コミュニティ技術プレビュー(CTP:Community Technical Preview)版のレビュー記事を読んで待っていてほしい。