写真1 Momonga Linux 4のデスクトップ(GNOME版)。画面の画素数(解像度)を変更するメニューが1つに統合されているなど,Fedora 7と比べ,使いやすさも改善されている。
写真1 Momonga Linux 4のデスクトップ(GNOME版)。画面の画素数(解像度)を変更するメニューが1つに統合されているなど,Fedora 7と比べ,使いやすさも改善されている。
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 Momonga Projectは2007年8月19日,Fedora Projectの成果物を基に開発したLinuxディストリビューション「Momonga Linux 4」を公開した(写真)。Momonga Projectは国内の有志で構成されたプロジェクトで,Momonga Linuxは国産Linuxディストリビューションの一つである。

 新版の主な特徴は(1)Momonga Linux 4のカスタム版ISOファイルを作成する機能,(2)サーバー統合に向いた仮想化ソフトウエア「OpenVZ」用カーネルの提供,(3)「Ruby on Rails」などのフレームワークを組み込んだこと,である。

 (1)ではインストール用ISOイメージのほか,CD-ROMから起動してそのまま利用できる1CD Linux版(LiveCD版)を作成できる。作成ツールはFedora 7などと同じ「Pungi」,「livecd-tools」である。

 (2)のOpenVZは,XenやVMwareとは異なる仮想化手法を取った仮想化ソフトウエア。ホストOSのLinuxカーネルを使って仮想サーバーを動作させる仕組みを持つ。仮想サーバー上のゲストOSが多数動作していても,システム全体ではホストOSのカーネルが1つだけ動いていればよいため,オーバーヘッドが少ないことが特徴である。

 (3)では,Ruby on Railsのほか,Apache Tomcat上で動作するWebアプリケーション・フレームワーク「Apache Struts」やPython言語を用いたフレームワークなどが標準で用意されている。

 今回公開されたISOファイルは686向けとx86_64向けに,それぞれ5種類ある。(1)CD-ROMサイズの最小構成のもの,(2)統合デスクトップ環境にGNOMEを用いたDVD-ROMサイズのもの,(3)統合デスクトップ環境にKDEを用いたもの,(4)DVD-ROM2枚組みにすべてのパッケージを収めたもの,(5)2層DVD-ROM1枚にすべてのパッケージを収めたもの,である。今後,PLAYSTATION3向けを含む64ビットPowerPC版などを公開する予定。