マイクロソフトは8月20日,同社の本会計年度(2007年7月~2008年6月期)におけるITエンジニア向けの支援活動策を発表した。ITエンジニア向けの技術セミナーを全国の同社支店で開催するほか,「Windows Server 2008」などの開発中の製品を,Webブラウザを使ってオンラインで評価できるようにすることなどが主な内容である。

 マイクロソフトは2006年秋から,同社の技術者をユーザー企業や各地域のユーザー会などに派遣して技術セミナーを実施する「Microsoft On」という取り組みを実施している。2006年秋から2007年夏にかけて,これまで370回のMicrosoft Onを開催し,およそ5700人の参加者があったという。ただし訪問型のセミナーであるMicrosoft Onは,15人以上の参加者が見込めるユーザー企業やユーザー会に講師を派遣するものである。そのため,中小企業に所属するシステム管理者や開発者は,参加しづらかったという。

 そこで今年からは,マイクロソフトの拠点で開催する集合型の技術セミナー「ITプロ道場」(システム管理者向け)や「MSDNオフラインセミナー」(開発者向け)を,全国にある同社の支店で実施することにした。マイクロソフトは近年,支店網の整備を進めており,従来からある関西支店(大阪市)や中部支店(名古屋市),中国支店(広島市),九州支店(福岡市)に加えて,2007年には北関東支店(群馬県高崎市)や北陸支店(石川県金沢市),四国支店(香川県高松市)などを開設している。このほか2008年には,沖縄支店(沖縄県那覇市)も開設する予定。これらの支店でもセミナーを開催することで,地方のITエンジニアへの支援を強化できるとしている。同社では2007年末までに,「ITプロ道場」を20回,「MSDNオフラインセミナー」を26回開催する予定だ。

 派遣型のセミナーである「Microsoft On」も継続する。Microsoft Onの申し込みは,同社のWebサイトで行う。仮想化技術に関するセミナーや,Webサーバー「IIS 7.0」に関するセミナーなどを実施する予定。

 セミナーのようなオフラインのものだけではなく,オンラインでのITエンジニア支援策も強化する。その代表例が「バーチャルラボ」の強化だ。バーチャルラボは,マイクロソフトのデータ・センターで運用する仮想サーバー(Virtual Server)に,Webブラウザを使ってインターネット経由でアクセスして,サーバー製品などを試用する仕組み。試用版を実機にインストールしなくても,製品の評価が可能になる。マイクロソフトでは8月末にも,次期サーバーOS「Windows Server 2008」の評価版を,バーチャルラボで利用可能にする。Windows Server 2008の新機能である「NAP(ネットワーク検疫機能)」のほか,ターミナル・サーバーやグループ・ポリシーの新機能,GUIを搭載しない「サーバーコア」などのテストが可能である。