米Googleは8月第3週,米Microsoftと繰り広げている接戦における最新の方策として,米Sun Microsystemsのオフィス製品スイート「StarOffice 8」を無償で提供し始めた(関連記事:GoogleがWord,Excel,PowerPoint互換のStarSuiteを日本語版も含め無料配布)。StarOfficeスイートは,通常100ドル弱する製品である。Googleは1本当たりいくら払ったかを明らかにしていないが,アプリケーション・パッケージ「Google Pack」ユーザーが無料でStarOfficeを入手できるようにした。StarOfficeは「Microsoft Office」の各種データ形式と互換性があるうえ,Sunなどが将来のオープンな標準規格と位置付けるOpen Document Format(ODF)との互換性も備える。

 Sun上級副社長のRich Green氏は「StarOffice内でODFを使うと,フリーかつオープンな標準規格ベースのオフィス・アプリケーションを求める人々に,相互接続性と選択を提供できる」と述べる。「GoogleのWeb検索機能に対応するStarOfficeの新版を出せて大変うれしい」(Green氏)。

 Google PackへのStarOffice 8同こん提供は,GoogleとSunが2005年10月に製品および技術の相互推進で協力するとの提携を発表して以来,待ち望まれていたものである(関連記事:米Sunと米Google,「Google Toolbar」「JRE」「OpenOffice.org」などの提供で協力)。StarOfficeは無償オフィス・アプリケーション・スイート「OpenOffice.org」の商用版であり,オープンソース・ソフトウエアのOpenOffice.orgとはデータベース・コンポーネントや文書フォーマット対応など内容がやや異なる。ただし,いずれもODFとMicrosoft独自のOffice形式に対応している。Sunによると,これまで1億人以上が無償版のOpenOffice.orgスイートをダウンロードしたという。

 SunとのStarOffice同こん契約を結ぶまで,Googleはオンライン・ワープロ/表計算アプリケーション「Google Docs & Spreadsheets」を提供していた。同アプリケーションはODFおよび各種Office形式と互換性はあるものの,Officeに比べると機能が非常に限られ,使用するにはオンライン環境が欠かせない。それに対しStarOfficeとOpenOffice.orgは,Office同様オフィス・アプリケーション・スイートとしての機能をすべて備え,オフラインでも使える。

 StarOffice 8を同こんした新しいGoogle Packを調べてみたので,SuperSite for Windowsに掲載したレビュー記事を読んでいただきたい。