フィンランドのNokiaは,米QUALCOMMのCDMAおよびWCDMA/GSMチップセットがNokiaの特許5件を侵害しているとして,米国際貿易委員会(ITC)に苦情の申し立てを行った。Nokiaがフィンランドで現地時間8月17日に明らかにしたもの。

 Nokiaによると,QUALCOMMが侵害しているのは,無線通信デバイスの性能と効率の向上,バッテリ寿命の延長,製造コストの削減を可能にする技術に関する特許。QUALCOMMが,当該特許を侵害するチップセットを搭載した製品を輸入,販売しているのは,不公正な貿易慣行に当たると主張している。

 Nokiaは,ITCに調査の実施と,特許を抵触するQUALCOMM製チップセットや同チップセットを搭載した製品の輸入禁止命令を発行するよう求めている。

 両社は約2年間,特許訴訟の応酬を繰り広げている。QUALCOMMは昨年6月,Nokiaが同社の特許6件を侵害しているとして,ITCにNokia製品の輸入販売禁止命令を請求している(関連記事)。また,今年4月にはNokiaに対して米国で新たに2件の特許侵害訴訟を起こしたほか,英国,フランス,ドイツ,イタリア,中国でも同様の訴訟を係争中という(関連記事)。

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