写真●4トラックある講義の1つ
写真●4トラックある講義の1つ
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 経済産業省が主催する、22才以下を対象に合宿形式でセキュリティの実践学習を行う「セキュリティキャンプ2007」が8月13日から17日までの5日間、千葉県千葉市で開催されている。第4回目となる今年の参加者は35名。応募者168人から選考された。応募者は昨年の131人を上回った。キャンプの修了者は4回の合計で131人に上る。

 4回目となる同キャンプは、プログラムも徐々に拡充されてきた。技術面で4種のコースに分けて専門的な内容を習得する。サーバー、プログラム、ネットワーク、解析といったコースである。13人の講師に加え、キャンプ修了生がチューターとなって講義を進める(写真)。

 事務局を務める日本情報処理開発協会の福井寛隆専任調査役は、「今年の参加者のレベルはかなり高い」と述べる。参加できる人数は変わらないが、応募者は増えている。参加者は、厳しい書類審査を通ってきたものたちだ。コンピュータの基礎知識だけでなく、どんな言語でどのくらいの量をプログラミングしたことがあるかなども尋ねる。

 習得するのは技術面にとどまらない。セキュリティのモラルや法律の面を学ぶほか、ビジネス面での影響についても講義を受ける。特別講義として、カカクコムの安田幹広CTO(最高技術責任者)が昨年クラッキングを受けた経験から、ビジネスへの影響や実際にどう対処したかなどを話した。

 このプログラムは、経済産業省が推し進める、早期にIT人材を育成する事業の一環である。4年目になって、キャンプ修了者が実際にITベンダーで活躍し始めているという。参加する若者は、自分でサーバーを立てたり、大学でシステムを管理したりする経験者が多い。4泊5日ではあるが、専門家から実践的な指導を受けたことをきっかけに、高度なセキュリティ人材に育っていく可能性は小さくないだろう。