米Oracleは米国時間8月8日,企業向けLinuxの機能強化を目的とした取り組みについて発表した。同社が開発したファイル・システム「Btrfs」などをオープンソース・ライセンスのもとで公開する。

 Btrfsファイル・システムは,データセンターの大容量サブシステムで高まりつつある拡張性の要求に対応する。拡張性の向上や管理のしやすさを実現しつつ,フレキシブルなスナップショット機能や高速な逐次バックアップが可能という。Btrfsのアルファ版はGPLのもとで,同社オープンソース関連サイトを通じて公開されている。

 同社Linux Engineering担当バイス・プレジデントのWim Coekaerts氏は「当社は引き続きLinuxコミュニティに対する関わりを強め,企業向けLinuxソリューションの開発と導入を促進する数々の拡張機能を提供していく」と述べている。

 その他,同社が公開する主なコードは以下の通り。

・システム管理ツールYaST(Yet another Setup Tool)の「Oracle Enterprise Linux」向けポーティング。米Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」に完全対応する

・「Oracle Database」実装におけるLinuxカーネルの機能および安定性を自動検証するテスト・キット「Oracle Linux Test Kit」。Oracle Enterprise LinuxとRHEL,および米Novellの「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」上で稼働する

・新たな非同期I/O(AIO)インタフェース。ほとんどのシステム・コールを非同期で処理できる単一のアクセス・ポイントを提供する

 同社は,ID管理製品「Oracle Identity Management」の新機能「Oracle Authentication Services for Operating Systems」のプレビュ版リリースも発表した。LinuxおよびUNIX環境におけるユーザー管理と認証を簡素化する。同社Webサイトから無償で入手できる。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]