フィンランドのNokiaは,同社のIC事業の一部を仏伊合弁のSTMicroelectronicsへ移管する。両社がフィンランドとスイスで現地時間8月8日に明らかにしたもの。フィンランドと英国にいる同事業の従業員約200人を,2007年第4四半期に移籍させる予定。

 またNokiaとSTMicroelectronicsは,第3世代(3G)携帯電話機向けのLSI設計情報およびモデム技術に関するライセンス/供給契約も結んだ。これにより,STMicroelectronicsはNokiaのモデム技術と電力管理/無線技術で3G用LSIの設計および製造を行い,LSI製品としてNokiaや他社に販売する。

 Nokiaは,STMicroelectronicsへの一部IC事業移管後も,プロトコル・ソフトウエアと関連設計を含むモデム技術の開発を続ける。このモデム技術は,Nokia向けLSI開発/製造を行う半導体メーカーにライセンス提供する。Nokiaは,こうして作ったLSIをNokia以外へ供給することも認める。

 米メディア(CNET News.com)によると,NokiaはSTMicroelectronicsにとって最大の顧客であり,2007年上半期の総売上高のうち約20%をNokiaが占めていたという。同メディアは,Nokiaが現在LSI供給契約を結んでいる米Broadcom,米Texas Instruments(TI),ドイツInfineon Technologiesとの取引を今後も続けると報じている。

 また別のメディア(InfoWorld)によると,NokiaのIC事業は400人規模で,STMicroelectronicsへ移籍するのはその約半数という。

[発表資料へ]
[発表資料(日本語版)へ]