米IBMは米国時間8月7日,オープンソース・アプリケーション・サーバー市場でのシェア獲得を目指し,米Novellと提携を結んだことを発表した。Novellは,自社のサーバーOS「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」でIBMのWebアプリケーション・サーバー「WebSphere Application Server Community Edition(WAS CE)」をサポートし,バンドル出荷する。

 WAS CEは,オープンソースのJ2EEアプリケーション・サーバー「Apache Geronimo」をベースにしており,無償で利用可能。IBMとNovellは,米JBoss製品を導入している企業がWAS CEに移行するためのツールおよびサポートも共同提供する。マーケティングや販売キャンペーンについても協力体制を敷く。

 IBMによると,WAS CEの次期版となる「WAS CE 2.0」では,Java EE 5に完全対応する予定。

 またIBMは,企業のパソコン向けソリューション「Open Client Solution」でNovellの企業向けデスクトップOS「SUSE Linux Enterprise Desktop(SLED)」をサポートする。同ソリューションにはデスクトップ管理サポートやアプリケーション移行といった機能が含まれ,Linuxやそのほかのオープン標準をベースとするソリューションの企業インフラへの導入を支援する。

 IBMは今回のNovellとの提携について,「コスト削減と省電力を目的としたLinux導入を支援する取り組み『Big Green Linux』の一環である」と説明する。Big Green Linuxは,同社が5月に発表したエネルギ節約計画「Project Big Green」の派生プロジェクト。Project Big Greenでは,年間10億ドルを投じ,自社製品およびサービスだけでなく,顧客に対しても電力消費量を大幅に低減する「グリーンなデータ・センター」への移行を促進する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]
[発表資料(3)]