三井物産戦略研究所は8月6日,野村総合研究所(NRI),電通国際情報サービス(ISID),フライトシステムコンサルティングとオープンソース・ソフトウエア(OSS)による電子自治体共通基盤システム「戦略研フレームワーク」を無償提供すると発表した。「戦略研フレームワーク」は,埼玉県鳩ヶ谷市が開発した「鳩ヶ谷共通基盤」をNRIのOSS基盤「OpenStandia」に組み込んだもの。インストーラにより10分で導入できるという。

 三井物産戦略研究所は,地方自治体の電子化をオープン系技術で援する活動「オープンスタンダード化支援コンソーシアム」(OSAC,関連記事)を組成し,その活動の一環として,福岡県が策定した「電子自治体共通化技術標準」,鳩ヶ谷市が開発した「鳩ヶ谷共通基盤」のソースコードおよびデモ・サイトを「OSAC Tech Portal」で公開している。

 「OpenStandia」はNRIがJBoss,Seasar2,PostgreSQLなどのOSSを組み合わせ,検証したアプリケーション基盤。Seasar2はISIDに勤務するひがやすを氏が中心になって開発したJ2EEフレームワークで,ISIDがサポート・サービスを提供している。

 三井物産戦略研究所では,「戦略研フレームワーク」を使用した自治体への導入サービスを2007年秋から開始する。導入OSSを利用しているため,初期コストおよびランニング・コストは従来の2分の1になるとしている。保守に関しては,少なくとも5年間のサポート・サービスを提供するという。

 また「地域産業振興の観点から,地方の独立系IT企業に対し,技術とノウハウを提供し地域企業の電子自治体市場への参入機会拡大を支援する」としている。既に熊本市のRKKコンピューターサービスと新潟市のBSNアイネットが「戦略研フレームワーク」の利用または対応を表明しているという。