中国のレノボが農村向けに「天福」という名の低価格パソコンを発売すると複数の中国メディアが報じている。

 最安モデルの値段は1499元(約2万3300円、1元=15.56円で計算)。CPUにAMDの「Geode LX800」、メモリー256MB、記憶媒体として2GBのコンパクトフラッシュを採用した。パソコン用ディスプレイや光学ドライブは付属しない。テレビをディスプレイとして利用できる。

 ディスプレイ附属モデルの場合、15型CRTが付いて1999元(約3万1100円、同)。ほかにも省スペース型パソコンとして2499元(約3万8900円、同)と2999元(約4万6700円、同)のモデルを揃える。省スペース型モデルでは、AMDの「Sempron 3200+」、256MBもしくは512MBのメモリー、80GBのHDD、DVDドライブを採用し、15型または17型のCRTディスプレイが附属する。

 現時点で天福シリーズへの搭載OSについては明らかになっていない。

 しかし、2007年4月にマイクロソフトとレノボは、正規版WindowsのみをOSとして採用するという提携を結んだ。さらに2007年8月初旬に、マイクロソフト中国法人は中国市場向け「Windows Vista」製品の大幅な価格改定を行っている。その結果、XPよりもVistaの方が安いという逆転現象が起きている。

 とはいえ、OEM向けのWindows Vistaでも少なくとも300元(約4670円、同)はかかる。また、天福シリーズのハードウエア仕様でWindows Vistaを動作させるのは難しいとみられる。価格、ハードウエア両面からWindowsの搭載が可能かは疑問が残る。

 なお、レノボは3年前にも、農村向けに低価格パソコン「円夢」シリーズを発売している。同シリーズの発売時は現在ほど海賊版ソフトウエアが問題視されていなかったこともあり、円夢は「Free DOS」を搭載して発売されていた。