ITサービスマネジメント最善策をまとめたITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)を推進するitSMF Japanは2007年8月6日、「itSMF Japanコンファレンス 2007」「同EXPO 2007」の開催に合わせて、記者会見を開催した。

 ITILはv2の後継版としてv3が策定され、現在、英国itSMF本部の日本における地域フォーラムitSMF Japanが日本語版書籍の出版に向け準備を進めている。書籍は「Service Strategy」「Service Design」「Service Transition」「Service Operation」「Continual Service Improvement」の5冊で、2008年春から夏にかけて発行の予定になっている。そこで、今回のイベントでも、v3の紹介に力が入れられている。

 ITIL v2は、構成要素を機能別に分類していたが、ITIL v3では「ライフサイクル」の考えを取り入れた。これは、主な参加企業に対してヒアリングした際に寄せられた、「ITILをライフサイクルで語ってほしい」という声を反映した結果だという。このほか、ITサービスが事業に提供する価値やパフォーマンスの均一化とサービス・デリバリの均質化、キー・プレイヤの役割と責任が重点ポイントだという。

 ITILについては「ITILマネージャ」「ITILファウンデーション」という2種類の資格があり、現在ITILマネージャが133人、ITILファウンデーションが2万9500人いるという。itSMF Japanの設立以来、増加傾向にある。v3の策定に伴い、資格制度も新版対応が必要になる。v3版の資格試験体系でITILマネージャを得るには、ITILファウンデーションを取得後、ITILサービス・ライフサイクル・モジュールとITILサービス・ケイパビリティ・モジュールの合計33単位のうち22単位を取得する必要がある。今年のITILファウンデーションの試験は、既に6月13日に実施済みである。v2からv3への移行試験は、ファウンデーションが2007年8月、マネージャが第3四半期に行われる。日本語による試験については、日本語書籍発行になるが、具体的には未定だという。

 itSMF Japanコンファレンス 2007と同EXPO 2007は、2007年8月6日と7日の両日、東京国際フォーラムで開催されている。