日本通信は7月31日,NTTドコモにiモード用パケット網との相互接続を申し入れたと発表した。両社の合意が取れたのち,法人向けに日本通信独自のデータ通信サービスを提供する予定だ。提供開始時期は未定。

 iモード用パケット網の相互接続インタフェースは,2002年11月にNTTドコモが開放している(関連記事)。これを利用することで,xSPなどのNTTドコモ以外の第三者が,iモード端末の発信者番号と位置情報の通知,Webアクセス,メールの送受信といった機能を利用できるようになる。

 たとえば,iモードのポータル「iメニュー」の代わりに,相互接続したxSPが用意するポータルを表示させることができる。また,iモード・メールの「@docomo.ne.jp」ではなく,独自ドメインを利用したメール・サービスも提供できる。法人向けサービスとしては,発信者番号を使って自動的に企業ポータルにログインする,企業内で使うメールをプッシュ型で直接送受信する--などが考えられる。

 iモードの開放を利用した同種のサービスとして,NTTデータが2003年に「Mobile Office Gateway」を発表している(関連記事)。しかし,事前営業でユーザーが見込めず,サービス開始を断念した。また,iモードの開放を利用してコンテンツ事業者とOCN会員を対象にしたサービス「MOBILEWING」をNTTコミュニケーションズが提供していたが,現在停止している。

 他事業者が苦戦したサービスだが,日本通信は「当時とは状況が異なる」という。その理由として「法人営業を通じて,iモードの開放を利用したサービスを使いたいという声が多い」ことを挙げた。

 なお,iモードの開放を利用したサービスでは,エンドユーザーのパケット通信料金はNTTドコモが設定する。そのため,日本通信が計画する新サービスは,通信料金の値下げではなく,法人に特化した付加価値サービスの提供に主眼を置いたものになりそうだ。

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