東京都荒川区は、既に稼働している施設予約システム(パソコン・携帯電話からのインターネット施設予約)と連動して、8月1日から施設利用料金の電子納付サービスを開始する。同区の施設予約システムで予約できるスポーツ施設、文化施設の利用料支払いについて、マルチペイメントネットワーク(ペイジー)に対応。利用者は今後、ペイジーに対応している金融機関のインターネットバンキングやATMから利用料を支払えるようになる。金融機関への利用手数料は当面は荒川区が負担する。なお、施設予約システムと連動してペイジーで支払いが行えるようにした自治体は「把握している範囲では荒川区が初めて」(日本マルチペイメントネットワーク運営機構)だという。

 荒川区の施設予約システムは、既に広く住民に利用されている。2006年度は、スポーツ施設は年間1万2283件(総予約件数1万5198件、ネット予約率は約80.1%)、文化施設は6383件(総予約件数2万8755件、ネット予約率は約22.2%)の施設予約がネットから行われた。荒川区では「施設予約システム利用者のうち、スポーツ施設で50%弱、文化施設で10%程度」(情報システム課)の電子納付を見込んでいるという。

 これまで荒川区では、「住民票の写しの交付の請求」「特別区民税・都民税課税証明書」などの手数料についてペイジーによる電子納付を受け付けていたが利用実績は少なかった。公的個人認証サービスの電子証明書を必要とする納付手続きが多いこと、荒川区ではこれまでATMからのペイジー支払いに対応していなかったことなどが、利用のハードルとなっていたと思われる。

 施設利用料の支払いは従来、スポーツ施設の場合は荒川総合スポーツセンターの窓口で、文化施設については各施設の窓口で利用料を支払う必要があった。8月からスタートする施設利用料の電子納付では、インターネットバンキングの契約さえしていれば公的個人認証は必要なく、また、インターネットバンキングの契約をしていなくてもペイジー対応金融機関のATMで支払いができるなど、利用者の利便性は従来の電子納付と比べて向上する。