米Microsoftは7月第4週の終わりに,最新OS「Windows Vista」は失敗らしいという世間の悪評に反応し,「すべて順調で感謝している」と発表した。Windows Vistaは発売から6カ月間で6000万本販売され,これまでで最も速いペースで売れたWindowsとなった。販売不振のうわさは,この発表で消え去るだろう。

 6000万本という販売本数は,Microsoftが5月に「4000万本のWindows Vistaを販売した」と発表したばかりなので,非常に強い印象を受ける数字だ(関連記事:【WinHEC 2007】発売100日でVistaを4000万本販売,Longhornの正式名称は「Windows Server 2008」)。事実Windows Vistaの販売は,2007年1月にパソコン・プリインストールと店頭販売が始まってから,猛烈な勢いが止まらない。現在Windows Vistaの販売本数は,毎月1000万~2000万本ある。Microsoftは以前Windows Vista搭載パソコンの数を,2007年末までに1億台以上,2008年末までに2億台と控え目に見積もっていた。

 競争という観点で,Microsoftは「かつて窮地に追い込まれた米Appleの『Macintosh』システムが,パソコン市場に食い込みつつある」というニュース記事にも冷や水を浴びせた。Macintoshは業界平均に比べ3倍弱ものペースで成長しているにもかかわらず,パソコン市場におけるAppleのシェアは全世界で3%未満,米国で約5%しかない。Microsoftによると,「Windows Vistaは発売5週間でMacintoshの総導入数を上回った」という。両システムの差は,それ以来広がる一方だ。

 またMicrosoftは「Windows搭載パソコンの台数が,今後12カ月のうちに10億台を超える」としている。米IDCおよび米Gartnerのアナリストは,2007年第2四半期のパソコン販売が事前予測よりはるかに力強かったことに対し,先ごろ驚きを表明した。恐らくMicrosoftは,予定より早く10億台を達成できるだろう。