米Mozilla Foundationの営利目的100%子会社である米Mozillaは,オープンソース電子メール・ソフトウエア「Thunderbird」の関連作業をMozillaから切り離す計画について,米Googleとの関係を否定した。MozillaのCEOであるMitchell Baker氏が米国時間7月26日,自身のブログへの投稿で明らかにしたもの。

 現在Mozillaは,オープンソースWebブラウザ「Firefox」関連の作業に多くの力を注いでいるという。そこでThunderbirdの開発体制などを強化する目的で,Thunderbird専門の別組織を作る方向で検討を開始した(関連記事:Mozilla,「Thunderbird」注力のために活動の切り離しを検討)。

 なおMozillaはGoogleと協力関係にあり,初期設定状態のFirefoxが検索エンジンとしてGoogleを設定していたり,Thunderbird用スケジュール管理拡張機能がGoogleのオンライン・スケジュール管理サービス「Google Calendar」に対応していたりする(関連記事)。またMozillaは年間数千万ドルの収入があり,「収入源は広告と検索。検索サイトとパートナシップを結んでおり,Firefoxの右上の検索フォームから誘導することで収入が得られる」(Baker氏)。そのほとんどはGoogleからのものとみられる(関連記事)。

 このような背景から,Baker氏がThunderbirdの活動切り離し計画を発表したブログ記事には,Googleの関与を疑うコメントが寄せられた。

 こうしたコメントに対し,Baker氏は「GoogleおよびGoogleの製品は,(Thunderbird活動切り離し計画の)決定とまったく関係していない」と述べる。「Thunderbirdの製品計画や収入,(GoogleのWebメール・サービス)『Gmail』の製品計画や収入について,Gooleに相談しなかった。我々はGoogleに意見を求めなかった。GoogleのGmailに関する計画は,この決定と無関係」(同氏)としている。

[Baker氏の投稿へ]