NTTデータは7月27日、中国のシステム会社を傘下に収め、日系グローバル企業の中国での事業展開をサポートするビジネスを始めると発表した。自動車・エレクトロニクス産業が進出している華南地域を中心に、ERP(統合基幹業務システム)パッケージの導入・保守運用などを支援、3年後に6億~7億円の売上高を目指す。

 NTTデータは、深セン市網藍実業有限公司(英語名BlueNet)から、子会社の深セン東洋網藍軟件服務有限公司(英語名EastNet)の株式51%を取得、7月9日付で「深センNTTデータイーストネット」と改名した。中国名は「深セン恩梯梯数据網藍軟件服務有限公司」。資本金は30万米ドル。

 深センNTTデータイーストネットの従業員は約120人。日本人の駐在は現在2人だが、従業員の4割が日本語でコミュニケーションができるという。上海、広東地域のほか、大連に拠点があるほか、北京でもNTTデータの現地法人と連携してサービスを提供する。

 新会社が取り組むのは、日本で開発・導入した基幹システムを現地法人に展開する「ロールアウト」のビジネス。現地の法規制に合わせるための要件定義、システム構築、導入後の定着支援まで手掛ける。具体的には、EastNetが実績を積んでいる米オラクルのERPパッケージ「Oracle EBS」のほか、独SAPの「R/3」などの導入を支援する。同時に、業務課題に関する現地調査、改善提案といったコンサルティング業務も手掛ける。

 NTTデータが出資したEastNetは約200社の顧客を抱えるが、その95%は日系企業。2006年度の売上高は約2億5000万円だった。NTTデータ傘下に入ることで、「ERPパッケージの導入など大型案件を増やし、3年後には6億~7億円の事業規模に育てたい」(製造・流通ビジネス事業本部 グローバルビジネス推進室の岡野寿彦室長)としている。

 NTTデータは2006年度に売上高が初めて1兆円を超えたが、海外での売り上げは150億円程度にとどまっている。民間企業向けのビジネスを伸ばすためにも、グローバル企業の海外展開をサポートする体制の整備が急務になっていた。