米国の非営利団体Electronic Frontier Foundation(EFF:電子フロンティア財団)は米国時間7月24日,米Universal Music Publishing Group(UMPG)が米デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)を乱用したとして,訴訟を起こした。訴訟では連邦裁判所に対し,幼い息子が音楽に合わせて踊る様子を撮影したホーム・ビデオを動画共有サイト「YouTube」に投稿した母親,Stephanie Lenz氏の公正な利用権および言論の自由の権利を保護するように求めている。

 Lenz氏は,Princeの楽曲「Let's Go Crazy」にあわせて踊る幼い息子を撮影。この29秒のビデオ・クリップを,家族や友人と共有することを目的として2007年2月にYouTubeにアップロードした。ところが,Lenz氏は2007年6月にYouTubeからこのビデオを削除したと連絡を受けた。UMPGがこのビデオで同社が管理する著作権が侵害されたと主張したためだという。

 EFFの弁護人を務めるMarcia Hofmann氏は,「著作権の乱用により,オンラインで活動するアーティスト,政治評論家,また今回の場合では日常生活の一場面を共有したいと思う一般的な家族が締め出されてしまう。Universalは,公正な利用や言論の自由の権利を踏みにじる,根拠のない著作権侵害の主張を止めるべきだ」と述べている。

 訴訟では,Lenz氏のホーム・ビデオがUniversalの著作権を侵害するものではない,とるする確認判決などを求めている。

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