米Microsoftは7月23日(現地時間),.NET Framework上のRubyインタプリタ「IronRuby」のプレアルファ1版のソースコードを公開した。MicrosoftのエンジニアJohn Lam氏が同氏のブログ上で明らかにした。Microsoft Permissive Licenseと呼ぶライセンスで公開している。

 Microsoftは.NET Framework上で動的言語をサポートするための「DLR (Dynamic Language Runtime)」を開発しており,Rubyはその上で動作する。他にIronPythonなどの動的言語処理系の開発も進められている。

 Lam氏によれば,IronRubyはプレアルファ版の段階ながら,例外を発生させない場合はマイクロベンチマークでは本家Ruby 1.8.6に比べ高速であるとしている。ただし,例外を発生させるとRuby 1.8.6よりも遅くなるという。ちなみに本家Rubyも,2007年末に公開が予定されている1.9では東京大学の笹田耕一氏が開発したRuby仮想マシンを正式採用することで大幅に高速化される見込みである。

 現在IronRubyはライブラリへのコードの投稿を受け付けている。IronRuby本体に関しては,DLRのインタフェースがフィックスされ次第,投稿を受け付けるとしている。「我々は外部のコントリビュータに対しすべてのパーツをオープンにする」(John Lam氏)。

 8月末にはIronRubyをRuby関連オープンソース・プロジェクトをホストするサイト「Rubyforge」に置く予定という。また今週開催されるOSCON 2007(O'Reilly Open Source Convention 2007)に参加し,Rubyforgeのセッションを行う。

◎関連リンク
IronRuby-Pre-Alpha1(zipファイル)